ヤグノブ谷のクルという場所に暮らすヤグノブ人のスマイヤ。7歳。
かつて50年ほど前までのヤグノブ谷には、48の村に2万人以上のヤグノブ人が暮らしていたという。
しかし、1970年に当時の政府が綿花栽培の人員を確保するために、ヤグノブ人たちに谷からザファラバードやドゥシャンベなどの大きな街に移住するように勧めた。
ヤグノブ谷は街から遠く離れたはるか山奥の僻地だが、政府は移住の際にヘリコプターまで用意したことから、多くのヤグノブ人が移住することを決めたのだった。
その後も少しずつ人口は減り、現在は14〜16の村に400人ほどが暮らすのみだ。
谷を歩いていると、廃墟と化した村の跡を時々見つけることができる。
その廃墟になった村を見る度に、そこに人がたくさんいたであろう昔の姿を想像してしまう。